専従者給与の支払いは振り込みで
一家で賃貸経営を行っていた家族で、主たる経営者だった夫が亡くなった。それまで専従者給与者として給料を手渡しで受け取っていた奥さんは、それを帳簿には記載していたという。税金対策で入った税理士は相続の申告を行う際に、その事実に気がつき、それまでの対応の悪さを指摘したという。専従者給与はきちんと給与として支払われたことを証明する振り込み記録がないと、認められないことがあるというのだ。
公正証書遺言の落とし穴
公正証書遺言は、遺言書の中でも最も効果的が高いといわれているが、その作成においては充分な注意が必要だ。初歩的なミスが遺言書にあると、遺言の有効性さへ危うくなることもあるからだ。初歩的なミスとは、相続人の名前の間違いや財産の書き漏れなどのミスのことだ。通常、公正証書を作成する際には、公証役場のスタッフが書類を作成し、それを公証人がチェックするのだが、その公証人による確認で漏れが多々あるのだという。公証人は裁判長などを歴任した人など実務経験豊富な人なのだが、70-80代の高齢者が多く、そろそろ引退ということで、必ずしも誠意ある対応を取られる方ばかりではないという。公証人による確認に任せることなく、自分の依頼した顧問税理士によるダブルチェックが必須なのだ。
また、相続の相談役かつチェック役である税理士の知識レベルについても、人によって雲泥の差があると言われいるので注意が必要です。よく、法人の顧問税理士に相続のことも相談するということがありますが、法人税と個人の相続税では全く分野が異なります。両者とも対応できる専門家は以外に少ないのです。「相続のことはわかりません」とキッパリと断るなら良い方で、中には仕事欲しさから、ほとんど無知にも関わらず引き受ける人もあるようですから、誰に依頼するかはとっても重要なポイントです。
税理士事務所による相続申告にも注意が必要
事業主であった被相続人の会社の顧問税理士事務所に相続税の申告を依頼するような場合には注意が必要だ。必ずしも相続税の専門でない場合もあるし、申告期限を考慮しない対応で１５％加算の納税を課されることもある。また、簡単な評価計算ミスをすることもあり、申告後の税務調査で計算ミスを指摘されれば、修正申告させられる場合もあるという。このような場合、税理事務所とはいえ、対応にあたったのが無資格で専門知識をもたない所員というケースもままあるというから注意が必要だ。
税理士事務所に限らず、どんな専門家集団の組織でも、対応を優れたところとそうでないところがあります。良し悪しを検討し、判断した上で依頼することが重要です。
若貴騒動の決着と相続的課題
国民的な関心を集めた若貴騒動だが、7月4日に兄の花田勝さんが行った「相続放棄」宣言で取り合えず収束の方向に向かっているようだ。この騒動は、相続にまつわる典型的な課題を多く含んでおり、相続額の大小に関わらず、皆の共通テーマとして学ぶべきところが多い。
以下、「相続新聞」の掲載された若貴相続問題の具体事例を数字詳細あわせてご紹介する。
「“争族”の時代を象徴する 二子山親方と若貴兄弟の相続問題」１
「“争族”の時代を象徴する 二子山親方と若貴兄弟の相続問題」２
「遺産分割協議が長引けば、納税額が増える可能性も」
相続対策を含めて土地活用・賃貸経営を検討する方にとって、各種専門家の意見を総合的に取り入れて、バランスの良い最適解を見出すことが大切です。ご相談・お問い合わせは株式会社シンワまでお気軽にどうぞ。
会社の顧問税理士による相続は最良か？
不動産賃貸業とは別に事業会社を経営するオーナーも少なくない。そういうオーナーは、相続の手続きを会社の顧問税理士に頼んでいる場合が多いという。これが必ずしもベストな方法ではない場合がある。法人税と相続税は分野が異なるからだ。両者に精通した税理士であれば良いが、高度な専門性が要求される各分野を両方ともカバーするのも困難かもしれない。実際の事例として、１５億円の財産があって会社の顧問税理士の申告では５億円の納税額だったものが、相続の専門税理士の調査依頼した額では１．７億円も減額できたという事例もあがっている。
複数の専門家に相談することの重要性がわかります。相続の関連して、賃貸住宅の建替え相談なども複数に当たられることをお奨めします。弊社でも想像に強いパートナー税理士をおりますので、ご相談いただき（導入部は無料です）、他案との比較をされてみては如何でしょうか。
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家族ではあっても専従者給与者への給与の支払いは振り込みにすることが必要です。口座から現預金の移動が行われることで、初めてきちんとしたお金が流れがあったことが客観的に把握できるからです。